「好きな子」や「異性」についてなど、これまでほとんど会話に出さなかった我が子(小3)。
まだ興味がないのかな、と思っていました。が、最近になってコソコソと本棚から本を取り出し、別の部屋で読んでいる様子。その本というのは、私が娘の性教育のために買っておいたものでした。

わたし自身もそうですが、我々親世代は、子供の頃きちんとした性教育を受けた記憶がないため、子供に何を教えたらいいのかわからず、悩んでいる方も多いと思います。
そこで今回は、小学校性教育の実情や、我が家の性教育事情、小学生女子の性教育にオススメの本などをご紹介します。
「女子」と書いていますが、男子も異性の体について知っておくことが、相手への思いやりにつながると思うので、読んでおいて損はないと思います。
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性教育に興味を持ったきっかけ

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初めは性教育というより、性犯罪から我が子を守りたい、という思いから興味を持ちました。
性犯罪に関する報道を目にするたびに、自分のことだったらある程度自分で注意できるけれど、子供が被害に遭うのを防ぐためにはどうしたらいいのだろう?という不安と疑問がこみ上げます。
しかも、報道されているだけではなく、区から届く不審者情報メールは、多いときには週1、2回にものぼり、決して人ごとではなく、性犯罪は身近で起きているのだと実感させられます。
100%防ぐことは難しいとしても、知識をつけておくことで、ある程度は未然に防げるのではないか、と思い、まずは自分自身が学ぶことから始めよう、と思ったのがきっかけでした。
小学校の性教育の現状
大多数の大人の記憶の性教育といえば、小学校4年生ごろに男女別々に分かれて、生理について説明を受ける、というようなものだと思います。
現在はどうかと学習指導要領を調べてみると、以下の記述がありました。
学校における性教育については,子どもたちは社会的責任を十分にはとれない存在であり,また,性感染症等を防ぐという観点からも,子どもたちの性行為については適切ではないという基本的スタンスに立って,指導内容を検討していくべきであるということでおおむね意見の一致を見た。
また,性教育を行う場合に,人間関係についての理解やコミュニケーション能力を前提とすべきであり,その理解の上に性教育が行われるべきものであって,安易に具体的な避妊方法の指導等に走るべきではないということについておおむね意見の一致を見た。(文部科学省)
一言で言うと、「寝た子を起こすな」的思考で、「性交」や「妊娠」「避妊」については扱わない、ということです。
実際の指導内容を見てみると
・体の発達(初潮や精通など)・・・4年生体育
・心の発達及び不安・悩みへの対処法・・・5年生保健
と、私たちが子供の頃とほとんど変わっていないことに驚きます。
東京都教育委員会から2019年3月に「性教育の手引き」が現代の実情に合わせて改訂されましたが、あくまでも保護者の理解があった場合に個別指導する、とされています。

一方、秋田県では教育委員会と医師会が連携し、中高生向けの性教育を行うことで、それまで全国平均の1.5倍だった人工中絶件数が約三分の一まで減少したそうです。
世界的にも、『性教育で性行動はより慎重になる』とされており、正しい知識を身に付けることは、自分を守る事であることは間違いなさそうです。

ある程度の年齢になれば心や体の変化とともに、性に興味を持つことは自然な流れ。それについて学校が教えてくれないとなると、子供が情報を得る先は当然「ネット」となります。
ネットの情報は玉石混交ですから、アダルトサイトなどで得た知識を「正しい」と思い込むことで、望まない妊娠や性病、犯罪などに巻き込まれるケースも少なくないようです。
また、子供はYouTubeが大好きですが、子供向けコンテンツに紛れて、アダルトコンテンツを流している人たちも大勢います。
YouTubeはアクセス数に応じて広告収入が入る仕組みのため、子供が好きそうなドラえもんやリカちゃん人形の動画の中に、中身は卑猥なものを忍ばせてアクセス数を伸ばし、お金を稼いでいる人もいるのです。

自分で検索はまだあまりできないので、恐らく偶然おすすめで出てきてクリックしてしまったのだと思います。

小学生女子の性教育にオススメの本 子供向け
大人と一緒に読む絵本

また、おちんちん系の絵本を読んであげようとすると、「それは嫌」と避けられます。
もしかすると、「性=はずかしい」という価値観を、いつの間にか身につけてしまったのかもしれません。
嫌だといっているのに無理やり伝えるのもなんなので、リビングの本棚に性教育関連の本を入れておき、いつでも興味を持ったら手に取れるようにしています。

とにかくさけんでにげるんだ
いきなり性犯罪系の本ですみません(汗)。でも、一人で歩くことも増える小学生に、是非伝えたい「性犯罪から身を守る方法」が、わかりやすく書かれています。
娘に初めて読んであげたときは、正直怖がりました。

事件・事故防止についてはこちらの記事に書いています
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小学生の一人歩きはいつから?どこまで?事故対策
スポンサーリンク 娘が小学校に入学して最初に驚いたのが、「一人で学校に行き、一人で家に帰ってくる」ことでした。 正確には、集団登校(小学校)、集団下校(学童)なので「一人」ではないのですが、保育園では ...
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おちんちんのえほん
娘は残念ながら恥ずかしがってわたしと一緒には読んでくれませんでしたが、一人ででも見てくれたら、と思って本棚に入れています。
未就学児のうちから読んであげると抵抗なく聞いてくれると思います。
「おちんちんのえほん」というタイトルですが、女性の体についても書いていますし、女の子も男の子について知りたいはずなので、男女ともに読んでよいと思います。
・プライベートゾーンの扱い方
・どうやったら赤ちゃんができるか
を、絵本を一緒に読みながら知ることができます。
あっ!そうなんだ!性と生
男女の体の違いや赤ちゃんが生まれる仕組みなど「性」についてだけでなく、気持ちの伝え方やいじめ、死についてなど、幅広い話題についてイラスト入りで書かれています。ちょっとお高いですが、性器の名称や、赤ちゃんがお母さんから出てくる様子がハッキリと描かれているので、子供に説明しやすいと思います。
子供が自分で読める本
12歳までに知っておきたい 女の子の心と体ノート
小学生に人気の「キラかわガール」シリーズということで、本棚に置いておいたらすぐに見つけて自分の部屋に持っていって読んでいました。
マンガやイラストが多く、ルビもふられているので、9歳でもスラスラ読めたようです。
意外と性教育の本でも触れられていない、女の子のセルフプレジャーについてや、男の子から迫られたらどう言ったらいいのか?妊娠したかもと思ったら、など、かなり踏み込んだことも子供にわかるように説明しています。
また、お友達との関わり方や、ネットに上げてはいけない情報についてなど、今の時代に沿った内容が網羅されているところも素晴らしいと思いました。
からだこころ研究所
タレントのSHELLYさんや、性教育の先生が推薦していたので購入しました。
「小学生と考える」とあり、小学生が読むことを想定して自分の体やこころとの付き合い方がわかりやすく書かれています。
イラストは多く、ルビもフラれていますが、マンガではないことや、装丁が子供の本っぽくないためか、うちの娘はまだ興味を示していません。
手に取りやすい場所に置いて、興味を持ったら読むのを待とうと思います。
13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと
生理や、胸の膨らみ、ムダ毛、気持ちの浮き沈み、男の子の身体の仕組みや人を好きになる気持ち、性交、性病についてなど、思春期に起こる心身の変化と、その対処法について、かわいいマンガでわかりやすく描かれています。

ただ、「13歳までに」とある通り、ちょっと内容が難しめで、一つ一つの項目もさらっとしているので、2〜4年生くらいまでだったら次の本の方がわかりやすいと思います↓
ポップコーン天使
女の子の思春期に起こる心身の変化と、その対処法について、かわいいマンガで描かれています。我が子(小2)は真剣に読んでいました。
ロケット少年
ポップコーンエンジェルの男の子版で、男の子の体の変化について書かれています。女の子も男の子の体について興味があるはずですし、お互いの体の違いについて知ることが思いやりにつながると思うので買いました。こちらも真剣に読んでいました。
セイリの味方スーパームーン
こちらは「生理なんでもハンドブック」というだけあって、生理について詳しく書かれています。
生理の時の過ごし方、生理痛を和らげる体操や体に良いレシピまであって、まさに生理に特化した内容。
思春期になると親の言うことに耳をかさなくなるかな、と思い、自分で調べやすいように用意しました。
うちの小3女子はまだ生理が来ていないので、それほど興味を示していませんが、当事者になったら変わると思います。
10歳からの性教育
10歳からの、とある通り、文字も多く、やや内容は難しめです。
体や命の仕組みはもちろん、ジェンダーや性犯罪、ドラッグ、性感染症など、大切だけれどもなかなか話題に上りにくいことについても取り上げられています。
妊娠の低年齢化も進んでいるので、我が子にはまだ早い、ではなく、親が知識として知っておき、必要な時に伝えられるようにしておくことは大切だと思います。
小学生女子の性教育にオススメの本 大人向け
お母さん!学校では防犯も〜
性教育の大切さを保護者に向けて講座をされている方が書いた本です。
学校教育の実情や、幼児のころからどんなことを心がけたらよいのか、具体的、かつわかりやすく書かれています。
タイトルが秀逸ですね。学校側は「そんなことないよ!」と奮起して欲しいものです。
おうち性教育はじめます
一番やさしい!とある通り、かなり基本的なことが書かれています。
「お母さん!学校では〜」を読んでいた私としては目新しいものは少ない印象でしたが、具体的に子どもにどうやって伝えて行ったらいいのか?などわかりやすく書かれているので、最初の一冊によいのではないでしょうか。
3〜9歳ではじめるアクロストン式
「アクロストン式って何?」と思いましたが、産業医と病理医であるご夫婦が「アクロストン」という名前で学校や地域に伝えている「性に関する情報」のことのようです。
Q&A方式、イラスト入りで、子供から質問されたときにどう答えたらいいか、わかりやすく解説されています。
子どもは「この場所」で襲われる
性教育とは少しずれますが、日常生活の中でどんな場所で子どもが襲われるのか?具体的な場所などが記載されていてとても勉強になりました。
我が子を守るために、読んで損はない一冊です。
番外編・中高生からのライフ&セッ○スサバイバルガイド
これは中高生向けに書かれた本なのですが、はっきりいってこの年代になったら、親が「この本読みなさい」と言っても言うことを聞きません。
なので、親が将来子供にこんなトラブルがふりかかるかもしれない、という心の準備をしておくために、知識として知っておいた方が良いと思います。
インターネットが普及している今、私たちが子供だった頃よりも、今の子供達の悩みは複雑で表に見えにくくなっています。
そんな時代を親子でサバイバルしていくために、「知識」が武器になるのでは、と思います。
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